(„Bist Du glücklich...“という歌、ご存知ですか? ①の続きです)


なるほどそれぞれのお国柄もあってのこと、歌詞にも幾分の違いはみられますが、メロディーはまったく同じです。海外も欧州、その中でもラテン的な陽気さで知られる国、スペインで産声を上げた民謡とはいえ、それがドイツ語で歌われたとて何の不自然さも感じませんし、不思議なことでもありません。


しかし、ドイツでの生活が始まって間もない我が家の二人の子どもたちが揃ってこの歌をドイツ語で口ずさんだことには、流石の私も面食らってしまったわけです。 すべての子どもたちに生まれながらにして天より授けられた才、すなわち計り知れない天賦の言語的能力もさることながら、子どもたちこのように、ふとした曲や歌詞、又、詩を知ることでも言葉を学ぶ力をもっていることを確信した瞬間でした。以来、私もこれに倣ってドイツ語の授業では、子どもたちと一緒に必ずこの歌を唄うよう心掛けました。 当時の子どもたちの誰もが覚えていることでしょう。


さあ、皆さんも口ずさんでみませんか。Singen wir zusammen!!


ドイツ語の歌詞の文法概説です。


*(1) ドイツ語の親称(家族や友だちなどのごく親しい間柄だけで用いられる表現)の二人称であるduihrは、書簡や韻文などで記される場合は、敬称二人称のSieと同じようにDuIhrのように大書されることが多いようです。 古高ドイツ語時代には敬称のSieがなかったため、duihrなどの人称代名詞やdeineuerなどの所有冠詞を大書することで代用されていました。 映画や演劇、あるいは小説などでよく耳にするEuer (Eure) Majestät!「閣下!、国王陛下!、皇帝陛下!」なる表現は、まさにその一例といえます。


**(2) Bist du...の語順についての説明。

主語と定動詞の位置から鑑みると、定動詞(定形)倒置法ですから、本来であれば疑問文か要求話法(接続法第一式現在形)、つまり命令法である筈なのですが、そのいずれにも?!の符号がありません。 実はこれ、Wenn Du glücklich bist und (wenn) Du es weißtのように元来はwennfallsなどの従属的接続詞が用いられた仮定文であったものが、接続詞を省略したことによって定動詞を文頭に置くという、倒置法で表現されたものなのです。 又、und Du weißt esの語順についてですが、恐らく韻文における強勢(アクセント)、つまり韻を踏む関係上、母音の位置にこだわらざるを得なかったものと考えられます。


尚、ドイツ国内にはメロディーは同じであっても歌詞が若干異なる下記のa) b)のようなテキストもあります。 果たしてどれがこの歌の原本であるのかは定かではありませんが、ともあれ何ごとも勉強、それらのテキストも挙げておくことにいたしましょう。


  1. Wenn Du glücklich bist, dann klatsche in die Hand.“


Wenn Du glücklich bist, dann klatsche in die Hand.

Wenn Du glücklich bist, dann klatsche in die Hand.

Wenn Du glücklich bist, dann zeigt es

sicherlich auch

Dein Gesicht.

Wenn Du glücklich bist, dann klatsche in die Hand.



b) „Wenn Du fröhlich bist, dann klatsche in die Hand.“


Wenn Du fröhlich* bist, dann klatsche in die Hand. * fröhlichglücklichと同意で、南独で多く用いられる。

Wenn Du fröhlich bist, dann klatsche in die Hand.

Wenn Du fröhlich bist und heiter, ja dann sag es allen weiter.

Wenn Du fröhlich bist, dann klatsche in die Hand.



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