誰もが分かるドイツ語の文法概説

Ein leicht zu verstehendes Lehrbuch für die deutsche Grammatik


ドイツ語はそれほど難しくはありません! 心配なぞ、ご無用!

Deutsch ist nicht so schwer, wie du denkst! Du brauchst gar keine Angst zu haben!


ドイツ語 事始め (概説)



その後、古代英語はどうなったの。。。?

 

  歴史の話もだいぶ長くなってしまい、思わず眠気を催されておられる方も多いことでしょう。しかし、英語の歴史についても、多少なりとも触れておかねばなりません。今暫くお付き合いください。


  さて、これほどまでに勢力を伸ばしたアングロ・サクソン族ではありましたが、西暦1066、ついにフランスのノルマンディー公ウィリアムス征服王の侵略を受けることとなります。「栄枯盛衰とはこの世の常なるもの。。」とは、まさにこうしたことをいうのでしょう。その後、約300年もの長きに亘ってアングロ・サクソン族はフランス、つまりロマンス系部族の支配を受けることになります。


生粋のゲルマン語であり、ゲルマンの一方言として一世を風靡した古代英語も、ロマンス系部族の支配下となれば、必然的にロマンス語系フランス語の影響を強く受けることになります。アングロ・サクソン族が産み出した古代英語も、こうした歴史的変遷の中で紆余曲折を経た後に、私どもが日々眼にし、耳にする世界言語、つまり現代英語へと変貌していったわけです。発音上、英語はドイツ語に較べて例外が多いとの指摘がよくなされますが、その由縁はつまり、英語がこのようにロマンス語系の影響を大いに受けたことが一因なのです。 つまり、ゲルマン語であった英語が音声的には全く異なるロマンス語の影響を受けざるを得なかった事実からすれば、それは容易に理解できることといえましょう。

 

21世紀を迎えた現在、世界中で最も多くの人々によって使われている、すなわち言語の世界を席巻している感ありの英語ではありますが、そもそもはその英語も、ドイツ語と袂を分かち合ったゲルマン語から生まれた言葉であったわけです。つまり、ゲルマン語なくして英語は決して生まれることはなかったのです。ゲルマン語は英語にとってはまさしく「産みの親」であると共に、ドイツ語は英語の兄貴分でもあるわけです。元を正せばいずれもがゲルマン語に由来する英語とドイツ語であったものが、お互いに異なる歩み方をしたことがお分かりいただけたと思います。ドイツ語を、英語やほかの言語と共にこれからも学んでゆく中で、言葉のもつ意外性や類似性、又、さまざまな違いを探っていただければ幸いです。


では、ゲルマン語の長男格でもあるドイツ語は、いったいどうなったの。。。?


ドイツ語の学習に取り組んでおられる皆さんなのですから、これ以上、英語の歴史について深入りする必要もありますまい。ではここで今一度、話をドイツ語に戻すことにいたしましょう。


ゲルマン語そのものが礎となってでき上がったドイツ語ですが、そのドイツ語もご多分に漏れず、長い歴史を経る中では言語の宿命ともいえるさまざまな音声的変化を繰り返すことになります。しかし、英語との大きな違いは、子音を中心とした語形の変化、すなわち子音推移(Lautverschiebung)がその主だったものでした。


幸か不幸かドイツ語は、英語に比べてそれほど極端な言語的改変を強いられることもなく、古来のゲルマン語に派生する多くの言語的構造や機能をそのまま今日まで引き継いでいる、実に不思議な言葉でもあるのです。それが要因であるやも知れませんが「ドイツ語は今一つ馴染にくい言葉である、あるいは「古臭い言葉だ」、ややもすると「何とも堅苦しい外国語である」などとあまり芳しくないイメージや先入観にわれてしまう方もおられるようです。


この点に関しては、かれこれ45年近くドイツ語の教育に携わってきたこの私も、敢えて否定や反論をしようなどとは毛頭考えてはおりません。なるほど、ここ十数年の間に日本におけるドイツ語への興味と関心は、その斜陽化が著しかったため、悲しいことに激減したことは否めません。とはいうものの、2002年にユーロ通貨が統合されて以降、アメリカに匹敵するほどの巨大なユーロ産業圏へ変貌を遂げたヨーロッパにおいては、未だに欧州言語の主要な言葉の一つとして、日本の全人口に匹敵する数の人々が、日々の生活で生きた言葉としてドイツ語を用いている、いわば欧州を代表するたいへん重要な言葉の一つでもあります。


欧州に住んだ経験のあられる方であれば誰もがそれを肌で感じとれることであって、飛び込みもせず、まるで外野席でうんちくを傾けるだけに終始する井の中の蛙であってはならないのです。皆さんの中からも、ドイツ語の面白さに魅せられて、ひいてはそのドイツ語の神髄に迫らんとの大志を抱かれる碩学諸姉諸兄が数多く出現されることを願って止みません。


これまで、ゲルマン語の生い立ちについて徒然に綴ってまいりましたが、いよいよ佳境ともいえる「ドイツ語の生い立ち」、すなわちドイツ語の歴史について触れておこうと思います。


現在のドイツ連邦共和国が位置する地域で生活を営んでいたゲルマンの各部族も、ゲルマン民族の大移動(Völkerwanderung)が始まると共に、部族間の統合と言語の共有化がすすみ、ゲルマン語の統一(紀元後、8世紀半ば頃)の気運が急速に高まることになります。この時代にしてはじめて、ヨーロッパの地に本来のドイツ語らしき姿が顕在するようになったわけです。ではここで、ドイツ語がどのような変遷を辿ってきたのかを、具体的にご覧いただきましょう。まずは、時代を三つに区分しましたので、これを参考にお考えください。




(次回に続きます)



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