誰もが分かるドイツ語の文法概説
Ein leicht zu verstehendes Lehrbuch für die deutsche Grammatik
ドイツ語はそれほど難しくはありません! 心配なぞ、ご無用!
Deutsch ist nicht so schwer, wie du denkst! Du brauchst gar keine Angst zu haben!
ドイツ語 事始め (概説)
古高ドイツ語時代 (Althochdeutsch: n. Chr.750~1050) 日本では平安朝時代の頃ですね!
中高ドイツ語時代 (Mittelhochdeutsch: n. Chr.1050~1500) 鎌倉・室町・安土桃山時代の頃ですね!
新高ドイツ語時代 (Neuhochdeutsch: n. Chr.1500~ 現在) 戦国・江戸時代~現在に至る
(n. Chr.とはnach Christoの略記で「紀元後」を意味し、v. Chr.はvor Christoで「紀元前」の意をあらわします。)
では、次の質問にお答えください。
すでにお話したように、英語はまさに茨の道を辿らざるを得なかったのですが、では、ドイツ語はどうであったのでしょう。上に記した時代区分をご覧いただいてもお分かりの通り、ドイツ語そのものはさほどの激流に巻き込まれることもなく、まるで川のせせらぎに身を委ねる笹舟のように淡々と歩をすすめたといえましょう。これはすなわち、当時の中央ヨーロッパにおけるゲルマン部族の勢力の強靱さが、容易にうかがい知れるということでもあります。
ではここで皆さんに、一つお考えいただきたいと思います。
上に挙げた三つの時代区分ですが、それぞれに〔古・中・新〕なる漢字が付されていることにお気づきですね。それらが意味するところが、古代、中世そして新時代、つまり歴史の流れの時代区分であることは容易に察しがつくことと思いますが、では、いずれの時代にも何やら共通している一語があることにお気づきでしょうか。その通り、【高】という文字です。では、この【高】なる漢字が意味するものは、いったい何であるのかを、暫しお考えいただきたいと思います。??
【正解】 人々の生活や日々の営みを支えるさまざまな産業をはじめとして、言葉や文化というものはいつの時代にも人々が暮らしている領域、つまり生活圏が中心となって発達するものです。ドイツ語やドイツの文化が育まれた歴史の流れにあっては、なんとも不思議なことに、そのどの時代にもなぜか【高】という文字がつきまといます。【高】とはつまり、ドイツの【高地】を意味するものなのですが、ドイツの高地とは、いったいどの地域を指すのでしょう。
それは標高の高い地域、すなわちドイツの南部であって、その地域を中心に栄えることになったのです。しかし、ドイツの南部といえばたいへん標高も高く、人の行く手を阻むように広がる、あの険しいアルプス連山が聳え立つ地帯ですから、そこから他国の文化など移入されよう筈がない、と考え手も不思議ではありませんね。でも、ドイツの南部から歩をすすめ、険しくそびえ立つアルプスの山々を登り越えて、遙か南方を目指すと、果たしてどこへ行きつくことになるでしょうか。そうです、いつの世にあってもヨーロッパ文化の中心的役割を担い、欧州文化の隆盛を誇っていた、皆さんもご存知の、あの太陽が燦々と照りつける南の国、イタリア(Italien)があったわけです。
古都ローマを中心に栄えていたイタリアは、当時の文化や文芸、学問、あるいは先進的科学技術の発信地でもあり、ヨーロッパ各地への文化や思想の伝播は、海を渡ってではなく、その悉くが、険しいアルプス連山を超えて、つまり陸路を経て欧州の内陸部へと、その中でも取り分け最短の地であったドイツ南部のバイエルンやバーデン・ヴュルテンベルク地方へと移入されることとなったわけです。
因みに、ドイツ語であらわされるHochdeutschとは【高地ドイツ語】の意であると同時に、【標準ドイツ語】も意味するものです。このようにドイツ語の歴史を垣間見るだけでも、南ドイツの地域がいつの世においてもドイツの言語や文化の中心であったことが分かってくるのですから、たいへん面白いものです。蛇足ですが、ドイツにおける国語学、つまりドイツ語学の研究の中心的地域が今なお南ドイツのバイエルン地方(Bundesland: Bayern)であることに変わりはありませんが、ドイツ国内で最も美しい標準ドイツ語が語られる地域はドイツ南部ではなく、ドイツの中央部に位置するニーダーザクセン州(Bundesland: Niedersachsen)の近辺であるといわれています。
その中でも、童話で名高いあのグリム兄弟(die Gebrüder Grimm)が嘗て言語学を教えたことでも知られ、又、鉄血宰相のニックネームで誰もが知る政治家ビスマルク(Otto von Bismark)をはじめとする、ドイツ内外の数多くの知識人が学んだ大学町ゲッティンゲン市【月鎮原】(Göttingen)のあたり、さらにそこから北方へ約百数十㌔すすんだ地、2000年に国際万博のエキスポ(世界商業見本市)が開催されたことでも知られるニーダーザクセン州の州都ハノーファー市(Hannover)に至る地域で語られるドイツ語は、その響きといい、言語としての美しさは天下一品であるといわれています。
(次回に続きます)
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