誰もが分かるドイツ語の文法概説

Ein leicht zu verstehendes Lehrbuch für die deutsche Grammatik


ドイツ語はそれほど難しくはありません! 心配なぞ、ご無用!

Deutsch ist nicht so schwer, wie du denkst! Du brauchst gar keine Angst zu haben!


ドイツ語 事始め (概説)



標準ドイツ語確立の功労者をお忘れなく!


いよいよ本格的にドイツ語を学ぶ段階に近づいてきましたが、ここで近代標準ドイツ語(Hochdeutsch)の確立に貢献し、その普及に務めた3、いや正確には4となりますが、その偉大なる人物と彼らが携わった出来事について触れておきたいと思います。


* グーテンベルクJohannes Gutenberg (13971468)は、活版印刷機を発明したことで知られている人物ですが、さて彼の発明によってどのような利便性が生まれたのでしょう?


* ルターMartin Luther (14831546)といえば、1017Wartburgの城門に十箇条の抗議文を掲げて旧教であるカトーリックから袂を分かち、新教プロテスタントを創成するために宗教改革(Reformation)を断行した

人物として知られていますが、では、彼はドイツ語の確立に如何なる功績を残したのでしょう?


* グリム兄弟 Jacob Grimm(17851863)Wilhelm Grimm(17861859)といえば、兄弟で童話を編纂したことで世界的に知られていますが、さてこの二人が果たした役目と、その業績とは?



【正解】 印刷機が発明される以前、世に出される書物はその一冊一冊が人の手によって書写されるといった想像を絶する労力と作業を経てできあがるたいへん貴重なものでした。したがって、例え僅かな本であろうともたいへんに高価なものとなってしまい、一般民衆にとってはおよそ手の届くものではなかったわけです。ところがグーテンベルクが印刷技術を発明したことよって大量に、しかも兼価で手に入るようになったのです。これまで文盲と呼ばれることに甘んじていた多くの民衆も、文字や音声、つまりドイツ語そのものに触れる機会が増え、また同時に文字に親しむことにもなったのです。すなわち、印刷機が発明されたことは単なる文明の利器が誕生したということだけにとどまらず、言葉の普及や教育の向上など多くの点で相乗効果をもたらしたのです。


【正解】 当時の人々は地域ごとにさまざまに変形した口語(ゲルマン語)方言を日常語として語ることで、日々の生活を営んでおりました。印刷機が発明される以前は勿論のこと、それこそ書物に触れる機会などあろう筈もなかったわけです。その当時、書き言葉である文語体といえば、ごく一部の学識者や聖職者しか理解し得ないあの難解なラテン語だったのです。ラテン語で記された聖書など、一般の民衆には到底読める筈がなかったわけです。そこでルターは、人々にとって最も大切であって、身近な神の言葉が記された書物、つまり聖書を老若男女の誰もが容易に読めるようにと願って、それを標準ドイツ語に翻訳しようと試みたのです。宗教家ルターはグーテンベルクとともにドイツ語の普及に尽力した極めて重要な歴史的人物の一人なのです。尚、ルターが成し遂げた聖書の翻訳ドイツ語はLutherdeutschとも呼ばれます。


【正解】 グリム兄弟と聞けば、童話(Märchen)の収集ばかりか言語学者としても世界的に知られる兄弟で、ドイツの各地に伝わる童話を収集すると共に、方言で記されたそれらの童話を誰もが容易に読めるように、標準ドイツ語に書きかえて、編集したのです。童話は、その多くが子どもの時分に読み聞かされるものですから、当時としては、言語学的視点ばかりでなく文化的にも、また教育的にも必要とされる道徳概念として絶大な影響を世に与えたことはいうまでもありません。尚、グリム兄弟によって始められた言語大百科事典(Deutsches Wörterbuch)の編集作業は、二人の死後も営々と継承されることになり、その後、凡そ100年を経った1960年代にして漸く完成の運びとなったことも記憶に留めておきたいものです。


(次回に続きます)



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