知っておきたい豆知識
日本でも一昔前まではお医者様(Doktor, Arzt)であれば、診断書(Karte)や薬の処方せん(Rezept)をドイツ
語で書くのが当たり前でしたが、昨今は様変わりして、何事も英語で事足りる時代になってしまいま
した。 これまた前世紀半ばの第二次世界大戦以降、世界の資本主義の牽引役を担った巨大なアメリカ合衆
国(die Vereinigten Staaten von Amerika)に追随せねばならなかった所以であって、我が国の宿命でも
あったのでしょう。とはいうものの、かつて我が国の医学界に大きな影響を与えた本家本元であるド
イツは、いったいどうだったでしょう。
ドイツに限らずヨーロッパ諸国では、古来より医者がラテン語を修める
のが、至極当然だったようで、学問という世界では決して妥協を許すことなく、世の流れに迎合しな
いという信念が古来より貫かれているようです。 学問の神髄とされるラテン語やギリシャ語などの古典語
を、いつの世にも尊重し、これを永遠に継承しようとするヨーロッパの学問への真摯な姿勢、まさに欧州
の哲学(Philosophie)がその根底にはあるわけです。温故知新なる言葉をすら顧みず、礼を失するばかり
か、目先のことばかりに囚われて、バブル現象に目がくらみ、自らをも見失ってしまったいずこの国
とはたいへんな違いを感じてしまいます。
9 年制の教育が主流のドイツの中・高等一貫の学校(Gymnasium)の中には、大学(Universität)を目指す生
徒たち(Abiturienten)に、未だに古典語を修めることを義務付けている伝統的な学校も数多くあるので
す。 学問の源流である古典主義を尊重してのことですが、人文科学(Kulturwissenschaft)、社会科学
(Sozialwissenschaft)、あるいは自然科学(Naturwissenschaft)であろうとも、学問を志す者のすべてに古典
語の習得を求めていること、これがいったい何を意味しているかを、我々も今一度、考えてみる必要
があるかも知れませんね。
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