綴りと発音に関する諸注意



今から18年ほど前の1998年のことでしたか、ドイツ語の正書法(Rechtschreibung)が突然に改訂され、それまで用いられていたドイツ語の綴り方に大幅な変更がなされました。


ドイツ語圏の言語学者達が中心となって、ドイツ語をできるだけ簡略化しようとのねらいで提案され、最終的にはドイツ連邦議会で批准されたものです。


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しかし、ドイツ国内だけでなく、海外においても未だに賛否両論はあるようで、必ずしも事態が収束したとはいえないのが実情です。


そのあらわれでしょうか、ドイツ連邦州(Bundesland)の中には、南部のバイエルン州(Bayern)やバーデン・ヴュルテンベルク州(Baden-Würtemberg)のように旧来の正書法を今以て認定しているところもあるくらいです。


日本の独文学界を牽引されて来られた、優れた恩師諸兄の薫陶を得て、幸いにもドイツ語教師になれた私のような若輩者にとっては、我が国におけるドイツ語教育の将来を鑑みるに、こうした正書法の改正を、果たして素直に喜んでよいものか、何とも答えようのないところです。


しかし、これまた時代のであって、致し方ないことなのかも知れません。 言葉というものは、私たち人間と同じように、絶えず生き続けているわけですから、時の流れの中で変化や改革がなされるのは当然なのでしょう。


とはいえ、日本はドイツがある欧州から遙か離れた極東に位置しており、まして日本語は、ドイツ語とはおよそ言語的な関わりをもたない言葉です。ドイツ語は、私たち日本人にとっては余りに複雑過ぎる、だがゆえに、敬遠されがちな言葉であることは否定できません。


正書法が改正されたことが逆に仇となって、『ドイツ語とは難解だ』との悲観的な印象を益々強く学習者に植え付けてしまうのではないか、はたまたドイツ語を学ぼうとする方が激減するのでないか、と危惧の念を抱くのは、私だけではないと思います。


こうしたことが、単なる取り越し苦労であるよう願うばかりです。これから一所懸命にドイツ語の学習に取り組もうとする皆さんが、それぞれの目標へ一歩一歩近づいていただくよう願っております。


思うに、皆さんをドイツ語の道へと誘う私どもドイツ語教師の責任もそれだけ大きいということでもあります。私も今一度初心に立ち戻って、一人でも多くの皆さんが楽しくドイツ語を学べるよう努めてまいります。





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